破裂脳動脈瘤術後の慢性期高次脳機能の検討

脳動脈瘤破裂により生じるくも膜下出血患者に対し, 早期手術, それに伴うくも膜下血腫の早期排除や脳血管攣縮に対する各種治療法の進歩により, 主としてGlasgow outcome scale(GOS)を用いて, 良好な治療成績が報告されている5)7). しかしながら, 完全に社会復帰をしつつも軽度の物忘れや集中力の低下を訴える患者は少なくなく, より詳細な検討, 特に高次脳機能に対する検討が必要であると思われる. 最近, くも膜下出血患者の高次脳機能について, いくつかの報告があるが, 一定の見解は得られていない1)2)6)8)10)11)13)15). 今回, われわれはGOSにて転帰良好で...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 26; no. 2; pp. 96 - 100
Main Authors 榊, 三郎, 岡, 芳久, 河野, 兼久, 大上, 史朗, 大田, 信介, 久門, 良明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 1998
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs1987.26.2_96

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Summary:脳動脈瘤破裂により生じるくも膜下出血患者に対し, 早期手術, それに伴うくも膜下血腫の早期排除や脳血管攣縮に対する各種治療法の進歩により, 主としてGlasgow outcome scale(GOS)を用いて, 良好な治療成績が報告されている5)7). しかしながら, 完全に社会復帰をしつつも軽度の物忘れや集中力の低下を訴える患者は少なくなく, より詳細な検討, 特に高次脳機能に対する検討が必要であると思われる. 最近, くも膜下出血患者の高次脳機能について, いくつかの報告があるが, 一定の見解は得られていない1)2)6)8)10)11)13)15). 今回, われわれはGOSにて転帰良好であったくも膜下出血患者に対し, 経時的に神経心理学的検査を施行し, くも膜下出血術後の高次脳機能を検討した. また, 高次脳機能に対して影響を及ぼす因子も検討した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.26.2_96