歯科医がいない病院での周術期等口腔ケアの試み
周術期口腔衛生管理の重要性から,術前に歯科口腔外科受診を行う病院が数多く存在しているが,当院には歯科口腔外科がなく,2015年4月から2020年3月までの5年間で,7件の歯牙損傷事故の報告があり,その多くが麻酔導入時の気管挿管の時に発生していた.口腔内には糞便中と同程度の微生物が存在し,口腔衛生を怠るとさらにその数は増加し,多くの疾患を引き起こすことが知られている.術前に歯科口腔外科を受診し,口腔内の評価を行い,必要に応じて歯牙保護や治療を行うことは,歯牙損傷事故を回避するだけでなく,術後の回復を促し,周術期等口腔機能管理料の算定が可能となり,患者,病院,歯科医院ともに利益となりうる可能性があ...
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Published in | 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 41; no. 4; pp. 336 - 344 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床麻酔学会
15.07.2021
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0285-4945 1349-9149 |
DOI | 10.2199/jjsca.41.336 |
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Summary: | 周術期口腔衛生管理の重要性から,術前に歯科口腔外科受診を行う病院が数多く存在しているが,当院には歯科口腔外科がなく,2015年4月から2020年3月までの5年間で,7件の歯牙損傷事故の報告があり,その多くが麻酔導入時の気管挿管の時に発生していた.口腔内には糞便中と同程度の微生物が存在し,口腔衛生を怠るとさらにその数は増加し,多くの疾患を引き起こすことが知られている.術前に歯科口腔外科を受診し,口腔内の評価を行い,必要に応じて歯牙保護や治療を行うことは,歯牙損傷事故を回避するだけでなく,術後の回復を促し,周術期等口腔機能管理料の算定が可能となり,患者,病院,歯科医院ともに利益となりうる可能性がある. |
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ISSN: | 0285-4945 1349-9149 |
DOI: | 10.2199/jjsca.41.336 |