遠位胆管癌の肝側進展様式と診断

胆管癌の水平方向進展度診断は,切除の可否や切除範囲・術式を検討する上で必要であり,遠位胆管癌においては肝側の進展度診断は特に重要である.その進展様式には表層進展と壁内進展があり,また,胆管癌の肉眼型は乳頭型,結節型,平坦型に分けられてそれぞれに膨張型と浸潤型があるが,乳頭型や結節膨張型(いわゆる限局型)では表層進展が多く,結節浸潤型や平坦型(いわゆる浸潤型)では壁内進展が多いとされる.壁内進展は腫瘍の粘膜下浸潤と線維化によって壁の肥厚や硬化,内腔の狭小化をきたすため,こうした所見をMDCT,MRI/MRCP,EUS,ERCP(+IDUS)といった画像から読み取って進展範囲を診断する.一方,表層...

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Published in胆道 Vol. 36; no. 2; pp. 113 - 120
Main Authors 安田, 一朗, 松野, 潤, 林, 伸彦, 中村, 佳史, 井上, 祐真
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本胆道学会 31.05.2022
日本胆道学会
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.36.113

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Summary:胆管癌の水平方向進展度診断は,切除の可否や切除範囲・術式を検討する上で必要であり,遠位胆管癌においては肝側の進展度診断は特に重要である.その進展様式には表層進展と壁内進展があり,また,胆管癌の肉眼型は乳頭型,結節型,平坦型に分けられてそれぞれに膨張型と浸潤型があるが,乳頭型や結節膨張型(いわゆる限局型)では表層進展が多く,結節浸潤型や平坦型(いわゆる浸潤型)では壁内進展が多いとされる.壁内進展は腫瘍の粘膜下浸潤と線維化によって壁の肥厚や硬化,内腔の狭小化をきたすため,こうした所見をMDCT,MRI/MRCP,EUS,ERCP(+IDUS)といった画像から読み取って進展範囲を診断する.一方,表層進展は腫瘍が粘膜表層を置換するように進展していくため,腫瘍の進展範囲を壁変化として捉えることは困難であるが,近年,経口胆道鏡所見や直視下のマッピング生検が有用であるとの報告がみられる.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.36.113