脳室内出血における内視鏡下血腫除去術の有用性

「はじめに」 脳内出血に対する神経内視鏡下手術は低侵襲かつ安全な方法として確立されつつある5). 一方, 脳室内出血に対する内視鏡手術は少数例での報告があるのみで2)4)8)9), その有効性は確立しておらず, 脳卒中治療ガイドライン2009では脳室内出血に対する外科的治療として脳室ドレナージ術のみが推奨されている. 今回, われわれは脳室内出血に対して積極的に内視鏡下に血腫を除去することが, 脳室ドレナージ単独の治療よりも機能的予後などの改善に有効であるか検討した. 「対象・方法」 2006年1月から2012年12月に, 高血圧性脳内出血に合併した脳室拡大を伴う脳室内出血12例に対し外科的治...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 41; no. 6; pp. 411 - 415
Main Authors 芝, 真人, 石垣, 共基, 倉石, 慶太, 宮, 史卓, 佐野, 貴則, 毛利, 元信, 田中, 克浩, 村松, 正俊, 鈴木, 秀謙
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2013
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.41.411

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Summary:「はじめに」 脳内出血に対する神経内視鏡下手術は低侵襲かつ安全な方法として確立されつつある5). 一方, 脳室内出血に対する内視鏡手術は少数例での報告があるのみで2)4)8)9), その有効性は確立しておらず, 脳卒中治療ガイドライン2009では脳室内出血に対する外科的治療として脳室ドレナージ術のみが推奨されている. 今回, われわれは脳室内出血に対して積極的に内視鏡下に血腫を除去することが, 脳室ドレナージ単独の治療よりも機能的予後などの改善に有効であるか検討した. 「対象・方法」 2006年1月から2012年12月に, 高血圧性脳内出血に合併した脳室拡大を伴う脳室内出血12例に対し外科的治療(内視鏡手術と脳室ドレナージ術の併用6例, 脳室ドレナージ術単独6例)を行った. 内視鏡手術群(E群)と脳室ドレナージ単独治療群(D群)について後方視的に, 脳室ドレナージ留置期間, 周術期合併症, 在院日数, シャント手術の有無, 1カ月後および3カ月後のmodified Rankin Scale(mRS)を比較検討した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.41.411