経過観察となった5mm未満の未破裂脳動脈瘤に対する治療方針─治療介入を決定する因子と時期について
「はじめに」国際未破裂脳動脈瘤調査(ISUIA), SUAVe study, Japan(SUAVe), UCAS Japan(UCAS)で明らかとなった小型の無症候性未破裂脳動脈瘤(unruptured intracranial aneurysm:UIA)のきわめて低い破裂率を受け, 5mm未満のUIAには外科的治療適応は少ないとする考え方が一般的になっている. しかし一方で, 経過観察を選択した小型UIAが破裂し, くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage:SAH)を発症した報告も多い. 破裂を予測した的確な治療介入時期はいまだに明らかではない. われわれは, 経過観察...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 44; no. 4; pp. 276 - 282 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2016
日本脳卒中の外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.44.276 |
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Summary: | 「はじめに」国際未破裂脳動脈瘤調査(ISUIA), SUAVe study, Japan(SUAVe), UCAS Japan(UCAS)で明らかとなった小型の無症候性未破裂脳動脈瘤(unruptured intracranial aneurysm:UIA)のきわめて低い破裂率を受け, 5mm未満のUIAには外科的治療適応は少ないとする考え方が一般的になっている. しかし一方で, 経過観察を選択した小型UIAが破裂し, くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage:SAH)を発症した報告も多い. 破裂を予測した的確な治療介入時期はいまだに明らかではない. われわれは, 経過観察の方針となった小型UIAの中で, その後に外科的治療の適応となった症例を検討し, 治療介入を決定する因子と的確な介入時期について考察を行った. 「対象と方法」2006年1月から2014年12月までに, 当院当科を受診したUIAのうち, 紡錘状, 解離性, 海綿静脈洞部を除外し, 発見時の最大径が5mm未満で, 脳ドックのガイドライン(GL)に準じて経過観察となり, 主にMRAによる定期的な追跡が3カ月以上可能であった症例を対象に後ろ向き検討を行った. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.44.276 |