外科治療後5年以上経過した未破裂脳動脈瘤の長期的転帰

「はじめに」未破裂脳動脈瘤は日本未破裂脳動脈瘤悉皆調査(UCAS Japan), 小型未破裂脳動脈瘤(SUAVe Study)14)などの研究により, その短期的な転帰は徐々に明らかになってきたが, 真の意味での長期的転帰は明らかになっていないのが現状である. 今回, 外科治療後5年以上が経過した未破裂脳動脈瘤例の臨床的特徴および長期的転帰を調査し分析したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 「対象および方法」1998-2005年に当科で管理した未破裂脳動脈瘤例は118例であり, このうち5年以上の長期観察が可能であった例は110例(93%)であった. 内訳は内科治療37例, 外科治療73...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 40; no. 5; pp. 310 - 316
Main Authors 小野, 純一, 町田, 利生, 永野, 修, 藤川, 厚, 青柳, 京子, 足立, 明彦, 野村, 亮太, 樋口, 佳則, 佐伯, 直勝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2012
日本脳卒中の外科学会
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Summary:「はじめに」未破裂脳動脈瘤は日本未破裂脳動脈瘤悉皆調査(UCAS Japan), 小型未破裂脳動脈瘤(SUAVe Study)14)などの研究により, その短期的な転帰は徐々に明らかになってきたが, 真の意味での長期的転帰は明らかになっていないのが現状である. 今回, 外科治療後5年以上が経過した未破裂脳動脈瘤例の臨床的特徴および長期的転帰を調査し分析したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 「対象および方法」1998-2005年に当科で管理した未破裂脳動脈瘤例は118例であり, このうち5年以上の長期観察が可能であった例は110例(93%)であった. 内訳は内科治療37例, 外科治療73例(66%)であり, 後者を分析の対象とした. 外科治療例の内訳は症候性11例, 無症候性62例であり, 外科治療の基本的方針は開頭・クリッピング術を第1選択としている. なお, 死亡例は観察期間が5年以内であっても対象に含めた.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.40.310