生物学的製剤, 特にモノクローナル抗体

「はじめに」 他科領域での話題となるが, 少し前に興味深い話を聞いた. 重篤な視力障害を引き起こす, 糖尿病網膜症による眼内血管新生に対してinfliximab (TNFに対するキメラ型モノクローナル抗体)を使用してみたというのである. 糖尿病網膜症に対してoff-labelで元来保険適応はないが, ベーチェット病という診断名が近医で付けられていたがために使用することが可能であったらしい. 耳鼻科領域ではまだなじみの薄い-mAb (monoclonal antibody)と呼ばれる生物学的製剤が, 同じ感覚器外科である眼科領域では積極的に導入され試みられているという事実に驚きつつ興味を持った....

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Published inEquilibrium Research Vol. 73; no. 1; pp. 44 - 46
Main Author 福嶋, 宗久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 2014
日本めまい平衡医学会
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ISSN0385-5716
1882-577X
DOI10.3757/jser.73.44

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Summary:「はじめに」 他科領域での話題となるが, 少し前に興味深い話を聞いた. 重篤な視力障害を引き起こす, 糖尿病網膜症による眼内血管新生に対してinfliximab (TNFに対するキメラ型モノクローナル抗体)を使用してみたというのである. 糖尿病網膜症に対してoff-labelで元来保険適応はないが, ベーチェット病という診断名が近医で付けられていたがために使用することが可能であったらしい. 耳鼻科領域ではまだなじみの薄い-mAb (monoclonal antibody)と呼ばれる生物学的製剤が, 同じ感覚器外科である眼科領域では積極的に導入され試みられているという事実に驚きつつ興味を持った. 本稿では生物学的製剤のうち特にモノクローナル抗体について概説し, 耳科領域への応用のヒントとしたい. 「モノクローナル抗体とは」 免疫疾患や癌を主たる対象疾患として, 生物学的製剤の一種である抗体性製剤がここ10年のあいだに盛んに開発されるようになっている.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.73.44