成人虚血型もやもや病に対するSTA-MCA single anastomosis単独術式の有用性の検討

• Published in: 脳卒中の外科 Vol. 48; no. 5; pp. 353 - 357
• Main Authors: 池田, 剛, 石黒, 太一, 濱野, 栄佳, 片岡, 大治, 小磯, 隆雄, 中川原, 譲二, 西村, 真樹, 築家, 秀和, 吉永, 進太郎, 髙橋, 淳, 森, 久恵, 橋村, 直樹, 佐藤, 徹
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2020; 日本脳卒中の外科学会
• Subjects: adult; ischemic; moyamoya disease; single; STA-MCA anastomosis
• ISSN: 0914-5508; 1880-4683
• DOI: 10.2335/scs.48.353

「はじめに」 血行力学的障害を呈する虚血型もやもや病に対するバイパス手術の有用性は確立されており, その術式にはsuperficial temporal artery(STA)-middle cerebral artery(MCA)anastomosisを代表とする直接法と, encephalo-myo-duro synangiosis(EMS)やencephalo-duro-arterio synangiosis(EDAS)をはじめとする間接法がある. 「もやもや病診断・治療ガイドライン」では, 小児で直接法, 間接法いずれも有効とされるのに対し, 成人には間接法単独が推奨されず, 直接法単独または直接間接複合術式を推奨することが明記されている. 近年, 直接間接複合術式による広範囲の灌流や, 良好な長期予後が報告され, ガイドライン2018年版では直接間接複合術式の優位性について加筆されたがレベル3にとどまり, 直接法単独と直接間接複合術式の優劣についての十分なコンセンサスは確立されていない.