成人前期の術後乳がん患者のQOLの実態とそれに関連する要因

「I. はじめに」わが国において乳がんは女性の部位別がん罹患率の第1位である. 乳がん罹患率を年齢別にみると20代からみられ, 30代半ばから40代にかけて急増している. わが国の第1子平均初産年齢は29.7歳であり, 30代, 40代は子育て世代である. また, 40代になると子育てだけでなく, 親の介護を担う時期でもある. さらに, 20代から40代にかけては就労している者も多いことから, 20代から40代の, いわゆる成人前期の女性は家庭内でも社会的にも, 様々な役割を担う世代である. 先行研究によると, 40代の再発乳がん患者は, 主婦, 母親, 職業人としての役割を自覚し, 生活の中...

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Published in日本衛生学雑誌 Vol. 71; no. 2; pp. 163 - 172
Main Authors 山田, 和子, 谷野, 多見子, 森岡, 郁晴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本衛生学会 2016
日本衛生学会
Subjects
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ISSN0021-5082
1882-6482
DOI10.1265/jjh.71.163

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Summary:「I. はじめに」わが国において乳がんは女性の部位別がん罹患率の第1位である. 乳がん罹患率を年齢別にみると20代からみられ, 30代半ばから40代にかけて急増している. わが国の第1子平均初産年齢は29.7歳であり, 30代, 40代は子育て世代である. また, 40代になると子育てだけでなく, 親の介護を担う時期でもある. さらに, 20代から40代にかけては就労している者も多いことから, 20代から40代の, いわゆる成人前期の女性は家庭内でも社会的にも, 様々な役割を担う世代である. 先行研究によると, 40代の再発乳がん患者は, 主婦, 母親, 職業人としての役割を自覚し, 生活の中でその役割を果たす努力をしている. しかし, 日本において乳がんに関する先行研究の多くは, 対象者に高齢者を含めており, 罹患率が増加する成人前期に焦点をあてたものは少ない.
ISSN:0021-5082
1882-6482
DOI:10.1265/jjh.71.163