80歳以上のくも膜下出血患者に対する脳血管内治療の治療成績

「はじめに」 近年, デバイス開発や術者技量向上などの恩恵により脳血管内治療は目覚ましく進歩している. 特に, 破裂脳動脈瘤に対する血管内治療(以下, コイリング)は, クリッピングと比べて良好な臨床転帰が期待できるとされる. しかしながら, 高齢者破裂脳動脈瘤に関するコイリングの報告は少ない. 今回, われわれは80歳以上の脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血患者に対するコイリングの治療成績を後方視的に解析したので報告する. 「対象」 2003年8月から2011年8月までの約8年間に, 当院および関連施設でコイリングを施行した破裂脳動脈瘤670例のうち, 治療時年齢が80歳以上の57例(8.5%)...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 42; no. 4; pp. 243 - 246
Main Authors 菅, 康郎, 山本, 宗孝, 野中, 宣秀, 大石, 英則, 新井, 一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2014
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.42.243

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Summary:「はじめに」 近年, デバイス開発や術者技量向上などの恩恵により脳血管内治療は目覚ましく進歩している. 特に, 破裂脳動脈瘤に対する血管内治療(以下, コイリング)は, クリッピングと比べて良好な臨床転帰が期待できるとされる. しかしながら, 高齢者破裂脳動脈瘤に関するコイリングの報告は少ない. 今回, われわれは80歳以上の脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血患者に対するコイリングの治療成績を後方視的に解析したので報告する. 「対象」 2003年8月から2011年8月までの約8年間に, 当院および関連施設でコイリングを施行した破裂脳動脈瘤670例のうち, 治療時年齢が80歳以上の57例(8.5%)を対象とした. 女性が51例(89.5%)を占め, 年齢は平均84.3歳(最高齢98歳)であった. くも膜下出血の重症度評価は, 治療直前のHunt & Hess(HH) gradeを用いた. 鎮静剤投与例はその投与直前のHH gradeで評価した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.42.243