内頸動脈解離による脳梗塞発症31病日にくも膜下出血を起こしたde novo aneurysmの1例

「はじめに」従来本邦では頸部内頸動脈解離はまれとされていたが, 最近では報告が散見され6)7), 若年性脳梗塞の原因の1つとして重視されるようになった. 今回, われわれは左頸部内頸動脈解離による脳梗塞急性期治療中に, 対側である右内頸動脈supraclinoid portion前側壁に動脈瘤が発生し, くも膜下出血をきたした症例を経験した. 短期間に新生動脈瘤が発生することはまれで, 症例を呈示しその発生機序について考察する. 「症例」「症例」41歳, 女性. 「主訴」右片麻痺, 失語. 「既往歴,生活歴」特記事項なし. 「現病歴」午前4時30分頃に左頸部の痛みはなかったが, トイレに行く際...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 35; no. 3; pp. 210 - 215
Main Authors 池田, 耕一, 新井, 鐘一, 山本, 正昭, 宇都宮, 英綱, 福島, 武雄, 阪元, 政三郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2007
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.35.210

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Summary:「はじめに」従来本邦では頸部内頸動脈解離はまれとされていたが, 最近では報告が散見され6)7), 若年性脳梗塞の原因の1つとして重視されるようになった. 今回, われわれは左頸部内頸動脈解離による脳梗塞急性期治療中に, 対側である右内頸動脈supraclinoid portion前側壁に動脈瘤が発生し, くも膜下出血をきたした症例を経験した. 短期間に新生動脈瘤が発生することはまれで, 症例を呈示しその発生機序について考察する. 「症例」「症例」41歳, 女性. 「主訴」右片麻痺, 失語. 「既往歴,生活歴」特記事項なし. 「現病歴」午前4時30分頃に左頸部の痛みはなかったが, トイレに行く際に右半身の脱力に気づいた. 症状の改善がないため午前10時45分に救急車で当院へ搬送された. 「入院時所見」身長152cm, 体重40kg. vital sign(血圧122/80mmHg, 体温36.9℃, 脈拍68/分,整)には異常なかった. 神経学的には, 意識はJCS:1-3A, GCS:10A(E4+V1A+M5)で, 運動性優位の失語, MMT 1/5の右片麻痺, 右Babinski, Chaddock反射陽性, 右半身知覚鈍麻がみられた.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.35.210