各都道府県における耳鼻咽喉科救急医療体制の検討

耳鼻咽喉科における救急医療体制は, 各都道府県あるいは各医療圏において整備されてきたが, 都道府県によりその実情は異なる. 今回日本耳鼻咽喉科学会地域医療委員会が各都道府県地方部会に対してアンケート調査を実施し, 耳鼻咽喉科救急体制について調査を行った. 何らかの耳鼻咽喉科領域の救急体制があると回答したのは40都道府県で, 耳鼻咽喉科領域の救急体制がないと回答したのは7都道府県であった. 耳鼻咽喉科の救急医療の問題点として, 勤務医の負担が大きいことや, 耳鼻咽喉科医の偏在が挙げられた. そのための解決策としては, 耳鼻咽喉科勤務医数の増加や待遇改善, 財源の確保とする回答が多かった. 今後,...

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Published in日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 Vol. 124; no. 11; pp. 1504 - 1509
Main Authors 西野, 宏, 五十嵐, 充, 川島, 佳代子, 稲村, 直樹, 野上, 兼一郎, 河合, 真, 福與, 和正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 20.11.2021
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
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ISSN2436-5793
2436-5866
DOI10.3950/jibiinkotokeibu.124.11_1504

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Summary:耳鼻咽喉科における救急医療体制は, 各都道府県あるいは各医療圏において整備されてきたが, 都道府県によりその実情は異なる. 今回日本耳鼻咽喉科学会地域医療委員会が各都道府県地方部会に対してアンケート調査を実施し, 耳鼻咽喉科救急体制について調査を行った. 何らかの耳鼻咽喉科領域の救急体制があると回答したのは40都道府県で, 耳鼻咽喉科領域の救急体制がないと回答したのは7都道府県であった. 耳鼻咽喉科の救急医療の問題点として, 勤務医の負担が大きいことや, 耳鼻咽喉科医の偏在が挙げられた. そのための解決策としては, 耳鼻咽喉科勤務医数の増加や待遇改善, 財源の確保とする回答が多かった. 今後, 救急医療体制を構築あるいは維持していくためには, 各地域における行政や医師会との調整とともに, 耳鼻咽喉科勤務医の働き方改革を進めながら, いかに救急医療体制を維持していくのかも考えていく必要がある.
ISSN:2436-5793
2436-5866
DOI:10.3950/jibiinkotokeibu.124.11_1504