Hemi-bonnet bypassを用いて血栓化した前大脳動脈遠位部巨大脳動脈瘤を治療した1例

症例は74歳,男性.血栓化巨大脳動脈瘤(最大径:37mm)が左前大脳動脈遠位部に偶然に発見された.動脈瘤体部からA3が出ていたため,治療には血行再建術を必要とした.左脳梁縁動脈に橈骨動脈をグラフト血管として端・側吻合し,前頭骨に作成した溝に走行させ右浅側頭動脈に端・側吻合し,いわゆるhemi-bonnet bypassを作成した.瘤をトラッピングして,瘤内血栓を除去して手術を終了した.術後神経障害.術後3年後もbypassの開存性に問題はなかった.hemi-bonnet bypassによる前大脳動脈系の血行再建術は吻合が容易で安全である....

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Published in脳卒中の外科 Vol. 51; no. 5; pp. 429 - 432
Main Authors 大友, 朋子, 酒井, 淳, 山田, 理, 山川, 功太, 沼澤, 真一, 赤須, 功, 伊藤, 康信, 吉田, 浩貴, 渡邉, 貞義, 森田, 修平, 森, 健太郎, 北川, 亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2023
日本脳卒中の外科学会
Subjects
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.51.429

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Summary:症例は74歳,男性.血栓化巨大脳動脈瘤(最大径:37mm)が左前大脳動脈遠位部に偶然に発見された.動脈瘤体部からA3が出ていたため,治療には血行再建術を必要とした.左脳梁縁動脈に橈骨動脈をグラフト血管として端・側吻合し,前頭骨に作成した溝に走行させ右浅側頭動脈に端・側吻合し,いわゆるhemi-bonnet bypassを作成した.瘤をトラッピングして,瘤内血栓を除去して手術を終了した.術後神経障害.術後3年後もbypassの開存性に問題はなかった.hemi-bonnet bypassによる前大脳動脈系の血行再建術は吻合が容易で安全である.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.51.429