気管カニューレ管理が必要な患者に対する誤嚥防止手術としての輪状軟骨温存型喉頭摘出術

誤嚥防止手術はカニューレフリーを目的として永久気管孔を造設する術式が多いが, 人工呼吸器管理が必要な症例ではカフ付き気管カニューレの装着が必要となる. 気管カニューレは気管切開孔への装着を目的に設計されているため永久気管孔の形状と形が合わない場合が多い. われわれは輪状軟骨を温存することで気管切開孔の形態を残す新たな誤嚥防止手術「輪状軟骨温存型喉頭摘出術」を考案し3症例に行った. 本術式における永久気管孔の曲率半径を CT 矢状断で計測したところ, 本術式は喉頭全摘出術よりも気管カニューレの値に近似していた. 輪状軟骨温存型喉頭摘出術は気管カニューレ装着が必要な患者の誤嚥防止手術として有用と考...

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Published in日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 Vol. 125; no. 7; pp. 1110 - 1116
Main Authors 岡田, 峻史, 捨田利, 慧, 菅野, 雄紀, 小澤, 宏之, 利國, 桂太郎, 稲木, 香苗, 佐々木, 俊一, 南, 隆二, 大久保, 啓介, 須田, 悟史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 20.07.2022
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
Subjects
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ISSN2436-5793
2436-5866
DOI10.3950/jibiinkotokeibu.125.7_1110

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Summary:誤嚥防止手術はカニューレフリーを目的として永久気管孔を造設する術式が多いが, 人工呼吸器管理が必要な症例ではカフ付き気管カニューレの装着が必要となる. 気管カニューレは気管切開孔への装着を目的に設計されているため永久気管孔の形状と形が合わない場合が多い. われわれは輪状軟骨を温存することで気管切開孔の形態を残す新たな誤嚥防止手術「輪状軟骨温存型喉頭摘出術」を考案し3症例に行った. 本術式における永久気管孔の曲率半径を CT 矢状断で計測したところ, 本術式は喉頭全摘出術よりも気管カニューレの値に近似していた. 輪状軟骨温存型喉頭摘出術は気管カニューレ装着が必要な患者の誤嚥防止手術として有用と考えられる.
ISSN:2436-5793
2436-5866
DOI:10.3950/jibiinkotokeibu.125.7_1110