Assist balloon併用下のdirect clippingが有用であった内頚動脈前壁破裂blood blister-like aneurysm

• Published in: 脳卒中の外科 Vol. 49; no. 4; pp. 270 - 273
• Main Authors: 上瀧, 善邦, 中村, 普彦, 廣畑, 優, 青木, 孝親, 森岡, 基浩, 折戸, 公彦, 音琴, 哲也
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2021; 日本脳卒中の外科学会
• Subjects: anterior wall aneurysm; assist balloon; blood blister-like aneurysm (BBA); direct clipping
• ISSN: 0914-5508; 1880-4683
• DOI: 10.2335/scs.49.270

「はじめに」内頚動脈前壁破裂脳動脈瘤は, 血豆様動脈瘤(blood blister-like aneurysm:BBA)とも称され, 通常の動脈瘤とは異なる形態や臨床経過を呈するため, 治療困難な動脈瘤の1つとされてきた. 同病変に対してさまざまな治療法が過去に報告されているが, 動脈瘤壁の脆弱性およびその高い破裂率から, 再出血予防に対する標準的な術式は確立していない. 一方で, direct clippingが可能な症例も存在し, こういった症例に対しては内頚動脈の順行性血流を維持し得る点でdirect clippingが最も有用な方法と考えられる. しかしながら, direct clippingが可能かどうかは術前の画像診断では判断が難しく, 術中に判断せざるを得ないのが現状である. さらに, 近年ではwrap on clip法の有用性も報告されている.