脳性麻痺療育体系の20年の歩みと今後の課題
我が国に於ける脳性麻痺の療育は, PT,OT制度が誕生する以前から, 肢体不自由児の療育という言葉が, 故高木憲次先生によって提唱され機能訓練が有力な療育手段として位置づけられ, そして現在までに展開されてきたという歴史をもつ. 現在日本理学療法士協会員およそ3,600名中約450名(12.5%)が脳性麻痺児を専門とする施設で勤務し, 大学病院, 総合病院の新生児室や小児外来で脳性麻痺児を担当する理学療法士も加えれば500名近くの理学療法士が脳性麻痺の理学療法にたずさわっていると考えられる. これは我が国に於ける脳性麻痺児・者のすべてに理学療法をカバーしうる数には到底およばないが, しかし,...
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Published in | 理学療法学 Vol. 12; no. 6; pp. 411 - 417 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
10.12.1985
日本理学療法士協会 Japanese Society of Physical Therapy |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.KJ00003124733 |
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Summary: | 我が国に於ける脳性麻痺の療育は, PT,OT制度が誕生する以前から, 肢体不自由児の療育という言葉が, 故高木憲次先生によって提唱され機能訓練が有力な療育手段として位置づけられ, そして現在までに展開されてきたという歴史をもつ. 現在日本理学療法士協会員およそ3,600名中約450名(12.5%)が脳性麻痺児を専門とする施設で勤務し, 大学病院, 総合病院の新生児室や小児外来で脳性麻痺児を担当する理学療法士も加えれば500名近くの理学療法士が脳性麻痺の理学療法にたずさわっていると考えられる. これは我が国に於ける脳性麻痺児・者のすべてに理学療法をカバーしうる数には到底およばないが, しかし, 10年, 20年前の状況を考えると隔世の感がある. 本日, 座長をつとめておられる早川氏も12年前の第8回の大阪学会のシンポジストとして, 障害児の為の施設が出来ても理学療法士が集まらない苦悩を, 先駆者の立場から訴えられたが, その当時は, 肢体不自由児施設も通園センターも理学療法士・作業療法土を獲得するのがきわめて困難であった. けれども現在はPT養成校の急増に伴なって, この分野にたずさわる若い仲間が年々増加し, 人が集まらないという悩みは解消されつつある. |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.KJ00003124733 |