筋・筋膜性疼痛症候群の治療目的について

理学療法には2種類の痛みの対応法があると考えてよい。ひとつは, 発痛原因が確認できないとき, "痛み"それ自体に対して行われる対応であり, もうひとつは発痛と思われる病態に対して行われる対応である。前者は発痛原因を取り除くための対応ではなく, 生理的な鎮痛系の痛覚変調による一時的な鎮痛を期待した対応方法である。後者は発痛原因を取り除くことを目的とした根治的な治療法である。ここでは臨床で最も頻繁に対応している疼痛疾患としての筋・筋膜性疼痛症候群を例としてとりあげ, 鎮痛系の働きを考えながら, 理学療法の治療目的について考察する。...

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Published in理学療法学 Vol. 18; no. 6; pp. 617 - 621
Main Author 辻井, 洋一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 10.11.1991
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.kj00001306401

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Summary:理学療法には2種類の痛みの対応法があると考えてよい。ひとつは, 発痛原因が確認できないとき, "痛み"それ自体に対して行われる対応であり, もうひとつは発痛と思われる病態に対して行われる対応である。前者は発痛原因を取り除くための対応ではなく, 生理的な鎮痛系の痛覚変調による一時的な鎮痛を期待した対応方法である。後者は発痛原因を取り除くことを目的とした根治的な治療法である。ここでは臨床で最も頻繁に対応している疼痛疾患としての筋・筋膜性疼痛症候群を例としてとりあげ, 鎮痛系の働きを考えながら, 理学療法の治療目的について考察する。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.kj00001306401