脳卒中片麻痺患者の姿勢反射機構検査と歩行能力

脳卒中片麻痺患者100例に対し,姿勢反射機構検査(PRMT)を実施し,その得点をPRMTに基づき脊髄〜皮質の4段階に分類し,歩行能力との関連性について検討した。PRMTと歩行能力との比較では,麻痺側r = -0.743,非麻痺側r = -0.761となり両側とも有意な相関関係を認め(p < 0.001),中枢別得点との比較でも脊髄レベルの非麻痺側を除き,有意な相関関係を認めた(p < 0.001)。レベル別獲得率では,脊髄レベルの非麻痺側を除きそれぞれの歩行能力間に有意差を認め(p < 1〜0.01%),皮質レベルの獲得率が麻痺側50%・非麻痺側80%以上であれば8割以上が自...

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Published in理学療法学 Vol. 17; no. 4; pp. 383 - 389
Main Author 吉元, 洋一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 10.07.1990
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00001306169

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Summary:脳卒中片麻痺患者100例に対し,姿勢反射機構検査(PRMT)を実施し,その得点をPRMTに基づき脊髄〜皮質の4段階に分類し,歩行能力との関連性について検討した。PRMTと歩行能力との比較では,麻痺側r = -0.743,非麻痺側r = -0.761となり両側とも有意な相関関係を認め(p < 0.001),中枢別得点との比較でも脊髄レベルの非麻痺側を除き,有意な相関関係を認めた(p < 0.001)。レベル別獲得率では,脊髄レベルの非麻痺側を除きそれぞれの歩行能力間に有意差を認め(p < 1〜0.01%),皮質レベルの獲得率が麻痺側50%・非麻痺側80%以上であれば8割以上が自立歩行を示した。PRMTと歩行能力との比較では,総合得点だけでなく中枢別得点との比較においても有意な相関関係を認め,正常姿勢反射活動を基盤とした本評価の有効性が示唆された。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00001306169