うつ病患者の抜管後にParadoxical vocal cord motionが原因の吸気性喘鳴を聴取した1例

77歳女性。夫を亡くし抑うつ状態となった。うつ症状による嚥下障害が続くため精査目的で入院した。検査後に呼吸困難となり気管挿管した。抜管するもすぐに吸気性喘鳴が出現し再挿管となった。再挿管時の喉頭ファイバー所見で吸気時に声帯の内転を呈し,Paradoxical vocal cord motion(PVCM)に矛盾しない所見であった。PVCMは発作には心因的な要因が大きいと考えられ,本症例も原因の1つと考えられた。うつ病患者の抜管後にPVCMが原因の吸気性喘鳴を聴取した症例を経験した。このようなストレス素因がある患者で抜管後に喉頭部で吸気性喘鳴を聴取する場合はPVCMを鑑別する必要がある。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in蘇生 Vol. 37; no. 2; pp. 80 - 82
Main Author 長田, 圭司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本蘇生学会 31.08.2018
The Japanese Society of Reanimatology
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0288-4348
1884-748X
DOI10.11414/jjreanimatology.37.2_80

Cover

More Information
Summary:77歳女性。夫を亡くし抑うつ状態となった。うつ症状による嚥下障害が続くため精査目的で入院した。検査後に呼吸困難となり気管挿管した。抜管するもすぐに吸気性喘鳴が出現し再挿管となった。再挿管時の喉頭ファイバー所見で吸気時に声帯の内転を呈し,Paradoxical vocal cord motion(PVCM)に矛盾しない所見であった。PVCMは発作には心因的な要因が大きいと考えられ,本症例も原因の1つと考えられた。うつ病患者の抜管後にPVCMが原因の吸気性喘鳴を聴取した症例を経験した。このようなストレス素因がある患者で抜管後に喉頭部で吸気性喘鳴を聴取する場合はPVCMを鑑別する必要がある。
ISSN:0288-4348
1884-748X
DOI:10.11414/jjreanimatology.37.2_80