抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎の臨床的特徴

本稿は「抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎の臨床的特徴」と題して第53回日本神経眼科学会総会のサイエンティフィックレクチャーで講演した内容をまとめたものである.新潟大学の高木らが中心となって行った研究により,抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎の臨床的特徴は,視機能予後不良,再発性,抗アクアポリン4抗体以外の自己抗体も陽性などであることが示された.また,著者らが中心となって行った研究により,抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎ではステロイドパルス療法単独でも約40%の症例で矯正視力(0.5)以上の改善がみられることが示された.これらの結果から抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎の治療は急性期の視力改善のため...

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Bibliographic Details
Published inNeuro-Ophthalmology Japan Vol. 33; no. 2; pp. 118 - 124
Main Author 植木, 智志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経眼科学会 25.06.2016
The Japanese Neuro-Ophthalmology Society
Subjects
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ISSN0289-7024
2188-2002
DOI10.11476/shinkeiganka.33.118

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Summary:本稿は「抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎の臨床的特徴」と題して第53回日本神経眼科学会総会のサイエンティフィックレクチャーで講演した内容をまとめたものである.新潟大学の高木らが中心となって行った研究により,抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎の臨床的特徴は,視機能予後不良,再発性,抗アクアポリン4抗体以外の自己抗体も陽性などであることが示された.また,著者らが中心となって行った研究により,抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎ではステロイドパルス療法単独でも約40%の症例で矯正視力(0.5)以上の改善がみられることが示された.これらの結果から抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎の治療は急性期の視力改善のため,また慢性期の再発予防のために,現時点におけるさまざまな治療方法から選択し組み立てる必要がある.しかし,抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎は症例数が少なく視力経過にもバラつきがあるためにその評価は困難であり,今後もこれらの課題に神経眼科医が一丸となって取り組むべきである.
ISSN:0289-7024
2188-2002
DOI:10.11476/shinkeiganka.33.118