抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎の視野障害パターンの検討

抗アクアポリン(AQP)4抗体陽性視神経炎の視機能を視野障害パターンから検討した.抗AQP4抗体陽性視神経炎76症例について診療記録より後ろ向きに検討を行った.視神経炎発作時の視野障害パターンは水平半盲が25%,中心暗点が24%,同名または異名半盲様が11%,求心性視野障害が3%であり,また,視野測定不能18%,周辺視野残存12%と重篤な視野障害を呈した症例も多くみられた.治療後の視野障害パターンは,視野所見が正常まで回復したのはわずかに10%であり,視野測定不能28%や周辺視野残存19%と重篤な視野障害が残存している症例が多かった.抗AQP4抗体陽性視神経炎で水平半盲が多く,また視野障害が重...

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Published inNeuro-Ophthalmology Japan Vol. 32; no. 2; pp. 135 - 141
Main Author 山上, 明子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経眼科学会 25.06.2015
The Japanese Neuro-Ophthalmology Society
Subjects
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ISSN0289-7024
2188-2002
DOI10.11476/shinkeiganka.32.135

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Summary:抗アクアポリン(AQP)4抗体陽性視神経炎の視機能を視野障害パターンから検討した.抗AQP4抗体陽性視神経炎76症例について診療記録より後ろ向きに検討を行った.視神経炎発作時の視野障害パターンは水平半盲が25%,中心暗点が24%,同名または異名半盲様が11%,求心性視野障害が3%であり,また,視野測定不能18%,周辺視野残存12%と重篤な視野障害を呈した症例も多くみられた.治療後の視野障害パターンは,視野所見が正常まで回復したのはわずかに10%であり,視野測定不能28%や周辺視野残存19%と重篤な視野障害が残存している症例が多かった.抗AQP4抗体陽性視神経炎で水平半盲が多く,また視野障害が重篤である要因としては,炎症性の血管障害や網膜動脈の血管の狭窄化や動脈硬化など網膜血管障害の関与が考えられた.
ISSN:0289-7024
2188-2002
DOI:10.11476/shinkeiganka.32.135