腹部大動脈瘤・大腿深動脈瘤に対してステントグラフト内挿術と大腿深動脈血行再建術を同時施行した1例

72歳男性.胸部大動脈瘤にて紹介となり,当院施行のCTで腹部大動脈瘤・左総腸骨動脈瘤・両側内腸骨動脈瘤・右大腿深動脈瘤を指摘された.上行弓部大動脈置換術を先行し,1年後に腹部大動脈ステントグラフト内挿術と同時に大腿深動脈瘤切除・人工血管置換を行った.術後CTやその後の経過観察にても良好な開存が得られている.無症状で発見される大腿深動脈瘤は,本症例のように他部位の動脈瘤を合併する場合が多い.動脈拡張に加え動脈瘤の多発する病態はarteriomegalyと呼ばれる.大腿深動脈瘤は破裂症例では視野不良のため血行再建が困難であり,胸部・腹部大動脈瘤や腸骨動脈瘤の症例ではarteriomegalyも考慮...

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Published inJapanese Journal of Vascular Surgery Vol. 27; no. 6; pp. 491 - 494
Main Authors 吉尾, 敬秀, 井村, 肇, 丸山, 雄二, 太田, 恵介, 新田, 隆, 高橋, 賢一朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 27.12.2018
日本血管外科学会
JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY
Subjects
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.18-00100

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Summary:72歳男性.胸部大動脈瘤にて紹介となり,当院施行のCTで腹部大動脈瘤・左総腸骨動脈瘤・両側内腸骨動脈瘤・右大腿深動脈瘤を指摘された.上行弓部大動脈置換術を先行し,1年後に腹部大動脈ステントグラフト内挿術と同時に大腿深動脈瘤切除・人工血管置換を行った.術後CTやその後の経過観察にても良好な開存が得られている.無症状で発見される大腿深動脈瘤は,本症例のように他部位の動脈瘤を合併する場合が多い.動脈拡張に加え動脈瘤の多発する病態はarteriomegalyと呼ばれる.大腿深動脈瘤は破裂症例では視野不良のため血行再建が困難であり,胸部・腹部大動脈瘤や腸骨動脈瘤の症例ではarteriomegalyも考慮し,末梢まで検索することが肝要と考える.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.18-00100