EVAR 術後Type 1a エンドリークからDIC を呈した1 症例

要旨:症例は82 歳女性.最大短径50 mm の腹部大動脈瘤に対し,ステントグラフト内挿術を施行した.最終造影でエンドリーク(endoleak; EL)を認めたがType 4 と判断した.退院3 カ月後に倦怠感が出現し,高度貧血,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation; DIC),右大腿筋肉内血腫の診断で再入院となった.造影CT では瘤径の拡大はないもののEL は残存していた.DIC に対する薬物治療を行ったが血小板減少が進行する状態であり,瘤内における消費性凝固障害を疑いEL の完全消失を目的に再治療を行う方針となった.血管造影で...

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Published inJapanese Journal of Vascular Surgery Vol. 24; no. 4; pp. 794 - 798
Main Authors 新本, 春夫, 加藤, 泰之, 高梨, 秀一郎, 柳原, 孝章, 在國寺, 健太, 乗松, 東吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2015
日本血管外科学会
JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY
Subjects
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.14-00112

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Summary:要旨:症例は82 歳女性.最大短径50 mm の腹部大動脈瘤に対し,ステントグラフト内挿術を施行した.最終造影でエンドリーク(endoleak; EL)を認めたがType 4 と判断した.退院3 カ月後に倦怠感が出現し,高度貧血,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation; DIC),右大腿筋肉内血腫の診断で再入院となった.造影CT では瘤径の拡大はないもののEL は残存していた.DIC に対する薬物治療を行ったが血小板減少が進行する状態であり,瘤内における消費性凝固障害を疑いEL の完全消失を目的に再治療を行う方針となった.血管造影でType 1a EL と判明し,バルーンやステント追加で中枢圧着を試みたが完全な消失は得られず,そのまま開腹手術に移行した.バルーン遮断下に瘤を切開しY 型人工血管置換術を施行した.術後DIC は改善し現在まで再燃なく経過している.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.14-00112