地域における14年間の歯周疾患予防活動の評価

平成4年度から平成17年度まで継続的に行われた歯周疾患予防活動の成果を評価した.参加者の総数は1,012名(男性297名,女性715名)であった,受診者数は,事業開始6年目以降は減少した.平均年齢は経年的に増加傾向にあった.1人平均未処置歯数と喪失歯数が経年的に減少し,処置歯数は増加した.CPI個人コード3または4の者の割合は経年的に減少し,歯と歯周組織の状態は改善していた.14年間で1回のみの受診者は566名,2回以上の受診者は446名であった.2回以上受診した集団は1回のみの集団よりも男性の割合が低かった.受診回数が多い者ほど最終受診時の歯周組織の状態がよかった.また,2回以上の受診者にお...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 57; no. 3; pp. 192 - 200
Main Authors 神社, 亜生, 山本, 龍生, 恒石, 美登里, 渡邊, 達夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 2007
日本口腔衛生学会
Subjects
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ISSN0023-2831
2189-7379
DOI10.5834/jdh.57.3_192

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Summary:平成4年度から平成17年度まで継続的に行われた歯周疾患予防活動の成果を評価した.参加者の総数は1,012名(男性297名,女性715名)であった,受診者数は,事業開始6年目以降は減少した.平均年齢は経年的に増加傾向にあった.1人平均未処置歯数と喪失歯数が経年的に減少し,処置歯数は増加した.CPI個人コード3または4の者の割合は経年的に減少し,歯と歯周組織の状態は改善していた.14年間で1回のみの受診者は566名,2回以上の受診者は446名であった.2回以上受診した集団は1回のみの集団よりも男性の割合が低かった.受診回数が多い者ほど最終受診時の歯周組織の状態がよかった.また,2回以上の受診者において初回よりも最終回のほうがCPI個人コードの低い者の割合が高かった.歯周炎の有無(CPI個人コード3または4を歯周炎あり,それ以外を)を目的変数としてロジスティック回帰分析を行ったところ,男性,高年齢者,受診回数の少ない者において歯周炎のリスクが高いという結果が得られた.以上より,年1回の歯科検診とブラッシング指導を地域において継続すると,継続的に受診した者に歯周組織の改善がみられることが明らかになった.また,男性は歯周炎のリスクが高いにもかかわらず継続受診者が少なかったことから,今後,地域歯科保健活動を効果的に進めるためには,男性の受診者を増加させることが課題であると考える.
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.57.3_192