孤立性左冠動脈入口部狭窄に対するパッチ拡大形成術2例の長期成績

左冠動脈主幹部の狭窄に対する治療として冠動脈バイパス術が一般的で, 本邦では2000年以降はオフポンプバイパス術の普及によるためか孤立性冠動脈入口部狭窄症例に対する入口部パッチ拡大術は数例の報告があるのみである. 最近欧米では孤立性冠動脈入口部狭窄症例に対する冠動脈入口部パッチ拡大術の長期成績が報告され, その適応が見直されている. 今回われわれは2例の冠動脈入口部パッチ拡大術長期観察例を経験したので報告する.  症例は43歳女性と66歳男性の2例でいずれも労作時の胸痛で冠動脈造影を施行され, 孤立性左冠動脈入口部狭窄と診断された. 2例とも体外循環・心停止下に大動脈から左冠動脈幹に無処理の自...

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Published inShinzo Vol. 46; no. 8; pp. 1101 - 1106
Main Authors 井村, 真里, 三好, 麻衣子, 北條, 禎久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2014
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.46.1101

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Summary:左冠動脈主幹部の狭窄に対する治療として冠動脈バイパス術が一般的で, 本邦では2000年以降はオフポンプバイパス術の普及によるためか孤立性冠動脈入口部狭窄症例に対する入口部パッチ拡大術は数例の報告があるのみである. 最近欧米では孤立性冠動脈入口部狭窄症例に対する冠動脈入口部パッチ拡大術の長期成績が報告され, その適応が見直されている. 今回われわれは2例の冠動脈入口部パッチ拡大術長期観察例を経験したので報告する.  症例は43歳女性と66歳男性の2例でいずれも労作時の胸痛で冠動脈造影を施行され, 孤立性左冠動脈入口部狭窄と診断された. 2例とも体外循環・心停止下に大動脈から左冠動脈幹に無処理の自己心膜でパッチ拡大形成した. 術後経過良好でそれぞれ術後8年目と12年目に冠動脈CT, 心筋シンチ, エコー検査で評価したがtrivialな大動脈弁逆流認めるだけでパッチ拡大部の狭窄や瘤化は認めず, また心血管イベント発症もなく良好な結果であった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.46.1101