山口論文に対するEditorial Comment

がん治療の目覚ましい進歩によって, がんの寛解率や治癒率は格段に向上している. しかし一方で, がん治療に伴う心血管合併症が, がん患者あるいはがんサバイバーの生命予後やQOLに大きな影響を与えるようになり, がん診療において循環器医の専門的な対応が求められるケースが増えている. がんの既往のある患者を循環器医が診る場合には, 心毒性のあるがん治療薬を用いた化学療法が行われていないか, 心臓が照射野に含まれた放射線療法が行われていないかを確認する必要がある. 2016年に改訂された欧州心臓病学会による急性および慢性心不全の診断と治療ガイドラインにも, この点は明記されている....

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Published inShinzo Vol. 50; no. 9; pp. 1013 - 1014
Main Author 赤澤, 宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.09.2018
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.50.1013

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Summary:がん治療の目覚ましい進歩によって, がんの寛解率や治癒率は格段に向上している. しかし一方で, がん治療に伴う心血管合併症が, がん患者あるいはがんサバイバーの生命予後やQOLに大きな影響を与えるようになり, がん診療において循環器医の専門的な対応が求められるケースが増えている. がんの既往のある患者を循環器医が診る場合には, 心毒性のあるがん治療薬を用いた化学療法が行われていないか, 心臓が照射野に含まれた放射線療法が行われていないかを確認する必要がある. 2016年に改訂された欧州心臓病学会による急性および慢性心不全の診断と治療ガイドラインにも, この点は明記されている.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.50.1013