新しい医療機器評価

「1. 医療機器の承認審査体制」医療機器の規制がどのように行われているかご存知であろうか. メス, ピンセットのような外科手術に用いる道具からステント, ペースメーカーのような埋植医療機器に至るまで, 医療機器は千差万別である. メス, ピンセットのような医療機器から人工心臓や除細動器まで同じ基準で審査をすると, ある種の医療機器については規制が厳しくなってしまうなど, 適切な規制が取り難くなることは容易に想定される. したがって, 医療機器はリスクに合わせて, 審査の制度, 審査機関を変える規制体系がとられている. 例えば, 厚生労働大臣の承認が必要なものは, 不具合が発生した際に人体へのリ...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 136; no. 4; pp. 527 - 530
Main Author 池田, 浩治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.04.2016
日本薬学会
Subjects
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.15-00224-1

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Summary:「1. 医療機器の承認審査体制」医療機器の規制がどのように行われているかご存知であろうか. メス, ピンセットのような外科手術に用いる道具からステント, ペースメーカーのような埋植医療機器に至るまで, 医療機器は千差万別である. メス, ピンセットのような医療機器から人工心臓や除細動器まで同じ基準で審査をすると, ある種の医療機器については規制が厳しくなってしまうなど, 適切な規制が取り難くなることは容易に想定される. したがって, 医療機器はリスクに合わせて, 審査の制度, 審査機関を変える規制体系がとられている. 例えば, 厚生労働大臣の承認が必要なものは, 不具合が発生した際に人体へのリスクが比較的高いと想定されるクラスIII以上の医療機器に限られている. 一方, 海外においては, 品質, 安全性に関する自己宣言を中心としたCEマーキングを柱とした第三者認証制度を導入している欧州連合と, すべてFood and Drug Administration (FDA) で規制を行う米国の2つがよく知られているが, いずれの規制においてもリスク分類に合わせた規制体系を構築している.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.15-00224-1