立体培養法を利用した疾患微小環境モデルの開発と病態解析
「1. はじめに」 疾患における異常の検出・解析に係わる実験技術の, 近年の目覚ましい発展及び高感度化とともに, われわれの疾患理解は全般的により複雑かつ精緻なものへと更新されてきている. 1つの特に大きな流れとして, 疾患組織のバルク(bulk)での解析から, 領域特異的(region-specific)あるいは単一細胞(single-cell)レベルでの解析を可能とする技術進展に伴う, 解像度の向上が挙げられる. こうした, より微小な疾患組織領域を対象とする解析によって, 疾患組織が, 従来のバルクでの解析では捉えることが難しい不均一性(heterogeneity)を有していることが明ら...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 141; no. 5; pp. 647 - 653 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.05.2021
日本薬学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0031-6903 1347-5231 |
DOI | 10.1248/yakushi.20-00219-4 |
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Summary: | 「1. はじめに」 疾患における異常の検出・解析に係わる実験技術の, 近年の目覚ましい発展及び高感度化とともに, われわれの疾患理解は全般的により複雑かつ精緻なものへと更新されてきている. 1つの特に大きな流れとして, 疾患組織のバルク(bulk)での解析から, 領域特異的(region-specific)あるいは単一細胞(single-cell)レベルでの解析を可能とする技術進展に伴う, 解像度の向上が挙げられる. こうした, より微小な疾患組織領域を対象とする解析によって, 疾患組織が, 従来のバルクでの解析では捉えることが難しい不均一性(heterogeneity)を有していることが明らかとなりつつある. すなわち, 疾患組織はこれまで認識されていたよりも多種かつ多様な細胞集団から構成されており, こうした細胞集団内/間の相互作用が病態形成や進展に極めて重要な役割を果たすことが判明している. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.20-00219-4 |