長期留置可能な一時的下大静脈フィルター(Tempofilter II)が有効であった1例

「はじめに」 下大静脈フィルター(inferior vena cava filter;IVCF)は深部静脈血栓症による肺血栓塞栓症の2次予防として有効なデバイスと考えられているが, 十分に実証されたものとはいいがたく, その安全性, 適応やフィルターの選択などについては明確な答えは見出されていないのが実状である. 現在, 国内で使用可能なIVCFは永久留置型5種, 回収可能型3種, 一時留置型3種の計11種であり, Tempofilter IIは一時留置型IVCFの中で唯一, 最大4週間留置可能なフィルターである. 今回, われわれは, Tempofilter IIを使用し有効であった急性肺血...

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Published in心臓 Vol. 42; no. 7; pp. 961 - 963
Main Authors 伊藤, 順子, 櫻井, 馨, 加藤, 陽子, 小西, 裕二, 加藤, 隆一, 小川, 亨, 横山, 泰廣, 足利, 貴志, 佐藤, 康弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2010
日本心臓財団
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Summary:「はじめに」 下大静脈フィルター(inferior vena cava filter;IVCF)は深部静脈血栓症による肺血栓塞栓症の2次予防として有効なデバイスと考えられているが, 十分に実証されたものとはいいがたく, その安全性, 適応やフィルターの選択などについては明確な答えは見出されていないのが実状である. 現在, 国内で使用可能なIVCFは永久留置型5種, 回収可能型3種, 一時留置型3種の計11種であり, Tempofilter IIは一時留置型IVCFの中で唯一, 最大4週間留置可能なフィルターである. 今回, われわれは, Tempofilter IIを使用し有効であった急性肺血栓塞栓症の1例を経験したので報告する. 「症例」 患者:38歳, 男性. 主訴:呼吸困難. 既往歴:強直性脊椎炎(15歳~), 左大腿骨頭壊死で人工骨頭置換術施行(37歳). 現病歴:2009年1月初旬より血痰と呼吸困難を認め, 当院外来を受診.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.42.961