菊地論文に対するEditorial Comment

がんの罹患率は年々増加を続けており, 今や男女ともに約2人に1人が一生のうちにがんと診断される時代である. 一方で, 心血管疾患も生活習慣の欧米化と高齢化によって増加しており, がんと心血管疾患を合併する患者は必然的に増加傾向にある. 特に乳がんと心血管疾患はともに高齢者に多く, 肥満や喫煙, 座りがちな生活習慣, ホルモン補充療法などリスク因子を共有している. 心血管疾患の合併, あるいは化学療法や放射線照射による心血管合併症はがん治療に大きな影響を与えるし, がん治療そのものががんサバイバーにおける心血管疾患の発症リスクを晩発性に増大させる. このように臨床的に関連性の深い乳がんと心疾患の...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inShinzo Vol. 50; no. 8; pp. 941 - 942
Main Author 赤澤, 宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.08.2018
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
Online AccessGet full text
ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.50.941

Cover

More Information
Summary:がんの罹患率は年々増加を続けており, 今や男女ともに約2人に1人が一生のうちにがんと診断される時代である. 一方で, 心血管疾患も生活習慣の欧米化と高齢化によって増加しており, がんと心血管疾患を合併する患者は必然的に増加傾向にある. 特に乳がんと心血管疾患はともに高齢者に多く, 肥満や喫煙, 座りがちな生活習慣, ホルモン補充療法などリスク因子を共有している. 心血管疾患の合併, あるいは化学療法や放射線照射による心血管合併症はがん治療に大きな影響を与えるし, がん治療そのものががんサバイバーにおける心血管疾患の発症リスクを晩発性に増大させる. このように臨床的に関連性の深い乳がんと心疾患の関連性について, 2018年にアメリカ心臓協会(American Heart Association)からステートメントが発表されている.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.50.941