COPD 合併心不全における治療戦略

「心不全とCOPDの関係」慢性心不全と慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)はともに罹病率, 死亡数が増加の傾向にある疾患です. 心不全でみられる労作時の息切れはCOPDでもよくみられる症状であり, 両者の鑑別が必要となることが度々ありますが, COPDの約20%に心不全が合併しているといわれ, 反対に慢性心不全患者の20~30%にCOPDが合併していると報告されています. また, 心不全のCOPD合併率は, 研究により8~52%と大きく異なることも指摘されています. その原因としては, 研究対象患者の地域性, 異なる年齢分布や性別の比率の違い, そして喫煙率の差などが関与していると思われますが,...

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Published inShinzo Vol. 51; no. 8; pp. 882 - 885
Main Author 浅井, 邦也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.08.2019
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.51.882

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Summary:「心不全とCOPDの関係」慢性心不全と慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)はともに罹病率, 死亡数が増加の傾向にある疾患です. 心不全でみられる労作時の息切れはCOPDでもよくみられる症状であり, 両者の鑑別が必要となることが度々ありますが, COPDの約20%に心不全が合併しているといわれ, 反対に慢性心不全患者の20~30%にCOPDが合併していると報告されています. また, 心不全のCOPD合併率は, 研究により8~52%と大きく異なることも指摘されています. その原因としては, 研究対象患者の地域性, 異なる年齢分布や性別の比率の違い, そして喫煙率の差などが関与していると思われますが, COPD診断のCriteria, 定義が異なっていたり, さらには呼吸機能検査が行われた時の心不全の状態によってもその評価が異なっている可能性があります.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.51.882