Sirolimus eluting stent, everolimus eluting stent留置後に病理学的検討を施行し得た1例
症例は30歳代, 男性. 2005年2月, 急性心筋梗塞を発症し, 左前下行枝 (LAD) #6-7にbare metal stent (BMS : Driver 4.0×18mm) を留置したが, 同年3月狭心症のため, LAD#6-7にsirolimus eluting stent (SES) 2.5×23mm, 3.0×18mm, 3.5×23mmを留置した. 半年後のCAGでBMS留置部位に再狭窄を認め, SES 3.5×18mmを留置した. 2010年10月, 再度急性心筋梗塞を発症し, 左回旋枝 (LCX) #13にeverolimus eluting stent (EES) 3....
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Published in | Shinzo Vol. 48; no. 3; pp. 305 - 311 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2016
日本心臓財団・日本循環器学会 Japan Heart Foundation |
Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.48.305 |
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Summary: | 症例は30歳代, 男性. 2005年2月, 急性心筋梗塞を発症し, 左前下行枝 (LAD) #6-7にbare metal stent (BMS : Driver 4.0×18mm) を留置したが, 同年3月狭心症のため, LAD#6-7にsirolimus eluting stent (SES) 2.5×23mm, 3.0×18mm, 3.5×23mmを留置した. 半年後のCAGでBMS留置部位に再狭窄を認め, SES 3.5×18mmを留置した. 2010年10月, 再度急性心筋梗塞を発症し, 左回旋枝 (LCX) #13にeverolimus eluting stent (EES) 3.0×28mmを留置した. 2012年4月, LADの再々狭窄を認め, EES 3.5×20mmを留置した. 同年11月以降, 内服薬を自己中断していた. 2013年1月, ショック状態で救急搬送され, 緊急CAGではLAD#6が完全閉塞していた. PCI後心不全治療を行ったが, 出血性脳梗塞を発症し永眠した. 冠動脈の病理学的精査では, LAD近位部のSESとEESが重なっている部位は新生内膜の肥厚が比較的強く, LAD遠位部のSESのみの部位では, 新生内膜は非常に薄く, ステント周囲に炎症細胞の浸潤を認めた. 本症例は, 繰り返すステント内再狭窄とステント血栓症に対しPCIを施行しており, 病理解剖にて冠動脈内の詳細な検討が可能であったため, 文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.48.305 |