ファクターオートフィブリノーゲンの基礎性能評価とフィブリノーゲン異常症例における測定値の検討
フィブリノーゲン濃度は,凝固スクリーニング検査においてトロンビン時間法を用いた活性量として報告されているが,抗体を用いた免疫測定法によりフィブリノーゲン蛋白量(抗原量)の測定が可能である。先天性フィブリノーゲン異常症は,活性量および抗原量の両方が欠損する無フィブリノーゲン血症,活性量および抗原量の両方が低下するフィブリノーゲン低下症,抗原量は存在するものの活性量のみが低下するフィブリノーゲン機能異常症,低下症と機能異常症の合併の4種類に分類され,フィブリノーゲン活性量,抗原量および活性量/抗原量比それぞれを算出することにより,これらの異常症の推定が可能となる。今回,キューメイ研究所より販売され...
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Published in | 医学検査 Vol. 67; no. 1; pp. 7 - 12 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
25.01.2018
日本臨床衛生検査技師会 |
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Summary: | フィブリノーゲン濃度は,凝固スクリーニング検査においてトロンビン時間法を用いた活性量として報告されているが,抗体を用いた免疫測定法によりフィブリノーゲン蛋白量(抗原量)の測定が可能である。先天性フィブリノーゲン異常症は,活性量および抗原量の両方が欠損する無フィブリノーゲン血症,活性量および抗原量の両方が低下するフィブリノーゲン低下症,抗原量は存在するものの活性量のみが低下するフィブリノーゲン機能異常症,低下症と機能異常症の合併の4種類に分類され,フィブリノーゲン活性量,抗原量および活性量/抗原量比それぞれを算出することにより,これらの異常症の推定が可能となる。今回,キューメイ研究所より販売されているフィブリノーゲン抗原量測定試薬ファクターオートフィブリノーゲンの基礎性能評価を行った結果,再現性,直線性,検出感度は良好であった。また,正常血漿50例におけるフィブリノーゲン活性量とファクターオートフィブリノーゲンの回帰式はy = 0.926x + 35.1,相関係数は0.974となり,フィブリノーゲン異常症19例における従来のフィブリノーゲン抗原量測定法とファクターオートフィブリノーゲンの回帰式はy = 0.968x + 34.5,相関係数は0.972となり,相関は良好であった。このことより,本試薬はフィブリノーゲン遺伝子異常症の診断・分類のためのフィブリノーゲン抗原量測定に有用な試薬であり,臨床へ有益な情報を迅速に提供できると考えられる。 |
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ISSN: | 0915-8669 2188-5346 |
DOI: | 10.14932/jamt.17-58 |