成人肝移植における長期成績とその問題点
「はじめに」肝移植手術は, 非代償性肝硬変, 急性肝不全, 代謝性疾患など末期肝疾患に対する治療オプションとして確立してきた. 脳死下臓器提供の進まない日本では, これまで生体肝移植を中心に施行されてきた. 1989年1例目の生体肝移植が小児例を対象に実施され, 1991年には成人(18歳以上)への生体肝移植も開始された. 日本では2014年までに累積4,922件の成人生体肝移植, 227件の成人脳死肝移植が施行され, 1年, 5年, 10年生存率はそれぞれ81.3%, 72.4%, 65.3%, および87.5%, 82.8%, 75.3%である. 成人における初回肝移植適応疾患は, 原発性...
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Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 51; no. 4-5; pp. 341 - 346 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2016
日本移植学会 The Japan Society for Transplantation |
Subjects | |
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ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.51.4-5_341 |
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Summary: | 「はじめに」肝移植手術は, 非代償性肝硬変, 急性肝不全, 代謝性疾患など末期肝疾患に対する治療オプションとして確立してきた. 脳死下臓器提供の進まない日本では, これまで生体肝移植を中心に施行されてきた. 1989年1例目の生体肝移植が小児例を対象に実施され, 1991年には成人(18歳以上)への生体肝移植も開始された. 日本では2014年までに累積4,922件の成人生体肝移植, 227件の成人脳死肝移植が施行され, 1年, 5年, 10年生存率はそれぞれ81.3%, 72.4%, 65.3%, および87.5%, 82.8%, 75.3%である. 成人における初回肝移植適応疾患は, 原発性胆汁性胆管炎(13.5%), 肝細胞がん(hepatocellular carcinoma:HCC, 30.8%), C型肝硬変(HCC合併を除く, 18.5%), B型肝硬変(HCC合併を除く, 8.7%), 急性肝不全(10.4%)などが占めている. |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.51.4-5_341 |