圧迫が血流とヒラメ筋脊髄運動神経興奮性に与える抑制効果

〔目的〕理学療法治療において,圧迫という機械的刺激の効果がさまざま報告されているが,適度な圧迫強度,時間を数値化して示す研究は行われていない.痙縮患者への応用を考え,痙縮の程度を表すとされる脊髄運動神経興奮性を最も抑制する圧迫強度,時間を明らかにするための基礎的資料を得ることが,この実験の目的である.〔対象〕健常成人の大学生16名.〔方法〕誘発筋電図,超音波診断装置を用いて,10,30,50,100 mmHgの圧をヒラメ筋に対し加えながら,H波と血流量の測定を行った.〔結果〕50 mmHgの圧で5分の圧迫が血流量を阻害せず,脊髄運動神経興奮性を最も抑制する効果をもつことが認められた.〔結語〕健...

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Published in理学療法科学 Vol. 26; no. 6; pp. 773 - 776
Main Authors 鈴木, 知也, 廣瀬, 真人, 黒澤, 和生, 三浦, 和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2011
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.26.773

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Summary:〔目的〕理学療法治療において,圧迫という機械的刺激の効果がさまざま報告されているが,適度な圧迫強度,時間を数値化して示す研究は行われていない.痙縮患者への応用を考え,痙縮の程度を表すとされる脊髄運動神経興奮性を最も抑制する圧迫強度,時間を明らかにするための基礎的資料を得ることが,この実験の目的である.〔対象〕健常成人の大学生16名.〔方法〕誘発筋電図,超音波診断装置を用いて,10,30,50,100 mmHgの圧をヒラメ筋に対し加えながら,H波と血流量の測定を行った.〔結果〕50 mmHgの圧で5分の圧迫が血流量を阻害せず,脊髄運動神経興奮性を最も抑制する効果をもつことが認められた.〔結語〕健常成人において,50 mmhg 5分間の圧迫を加えると,脊髄運動神経興奮性の抑制が可能であることが明らかとなった.
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.26.773