「次世代AI画像認識」の特集によせて

この度, 日本レーザー医学会誌で次世代のAI画像認識の特集を組ませていただくこととなりました. 泌尿器科領域や消化器領域では光力学診断(PDD)や狭帯域光観察(NBI)が普及し, 従来の診断方法より診断精度が向上しました. 特に, 泌尿器科領域ではアラグリオを用いたPDD下経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)により診断精度向上はもちろんの事, 術後再発率を減少させ治療効果の改善を認めました. しかしながら, 偽陽性率が高いといった臨床的な問題も認めました. これらの問題を解決するには人工知能(AI)は極めて重要なツールになる可能性があります. AIは内視鏡画像における正常粘膜と癌組織を, 専門...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 42; no. 4; p. 228
Main Authors 福原, 秀雄, 森田, 圭紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会 15.01.2022
日本レーザー医学会
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ISSN0288-6200
1881-1639
DOI10.2530/jslsm.jslsm-42_0028

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Summary:この度, 日本レーザー医学会誌で次世代のAI画像認識の特集を組ませていただくこととなりました. 泌尿器科領域や消化器領域では光力学診断(PDD)や狭帯域光観察(NBI)が普及し, 従来の診断方法より診断精度が向上しました. 特に, 泌尿器科領域ではアラグリオを用いたPDD下経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)により診断精度向上はもちろんの事, 術後再発率を減少させ治療効果の改善を認めました. しかしながら, 偽陽性率が高いといった臨床的な問題も認めました. これらの問題を解決するには人工知能(AI)は極めて重要なツールになる可能性があります. AIは内視鏡画像における正常粘膜と癌組織を, 専門医のレベルで正確に診断することが示されています. このようにAIには医師の教育を補助する役割もあり, 医師の技術習得レベルに合わせて柔軟にアドバイスが可能になると考えられています. 特に消化器領域では, リアルタイム支援型のAI開発が進んでおり, 病変の見落としリスクの軽減や, 良悪性の鑑別における有用性が多数報告されています. 今後は, 内視鏡を用いた診断および治療においてAI技術は欠かせない技術となり, ますます盛んに医療応用が進んでいくものと思われます. 今回の特集では泌尿器科領域からは池田篤史先生と野里博和先生, 消化器領域からは脇幸太郎先生と平澤俊明先生と三澤将史先生から最新の研究内容を解説頂きました. いずれの内容もエキスパートの先生方からの解説であり非常に分かりやすく, この場を借りて深謝申し上げます. 今後ますますAI技術の臨床応用が進むことにより, 最善の医療がより多くの患者さんに提供できることを期待しています.
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm.jslsm-42_0028