結石性腎盂腎炎に対する緊急TULの試み

結石性腎盂腎炎の患者にはまず抗生剤投与ならびにドレナージを行い,全身状態が回復してから結石を治療するのが原則であるが,今回一期的に緊急TULを14例に行った.収縮期血圧100mmHg以上で安定している,頻呼吸がない,DICが重度でない,結石長径が8mm以下,部位がU2かU3,これらを満たす症例を緊急TULの選択基準とした.全例,砕石および抽石から尿管ステント留置までを行うことができ,術後の全身状態の悪化は認めなかった.完全排石率は100%であった.手術時間の平均は54分,38℃以下への解熱は平均1.4日,入院日数の中央値は8日であった.症例を選べば,結石性腎盂腎炎に対しても緊急TULを安全に施...

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Published inJapanese Journal of Endourology Vol. 26; no. 1; pp. 121 - 125
Main Authors 木村, 元彦, 志村, 尚宣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本泌尿器内視鏡学会 01.04.2013
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ISSN2186-1889
2187-4700
DOI10.11302/jsejje.26.121

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Summary:結石性腎盂腎炎の患者にはまず抗生剤投与ならびにドレナージを行い,全身状態が回復してから結石を治療するのが原則であるが,今回一期的に緊急TULを14例に行った.収縮期血圧100mmHg以上で安定している,頻呼吸がない,DICが重度でない,結石長径が8mm以下,部位がU2かU3,これらを満たす症例を緊急TULの選択基準とした.全例,砕石および抽石から尿管ステント留置までを行うことができ,術後の全身状態の悪化は認めなかった.完全排石率は100%であった.手術時間の平均は54分,38℃以下への解熱は平均1.4日,入院日数の中央値は8日であった.症例を選べば,結石性腎盂腎炎に対しても緊急TULを安全に施行できる可能性が示された.
ISSN:2186-1889
2187-4700
DOI:10.11302/jsejje.26.121