胃部分切除に対するクリティカルパスの作成・導入について
胃疾患に対する縮小手術が増え、胃癌や胃粘膜下腫瘍に対する胃部分切除 (PG) や腹腔鏡下手術に対するクリティカルパス (CP) が必要になってきた.そこでCP未施行37例を対象に周術期の諸項目について分析した。【結果】入院日数は中央値16日 (9-25日) 、術後日数は10日 (8-19日) 、点滴輸液は5日 (3-10日) とかなり幅がみられた。しかし、経鼻減圧管抜去は第1病日、硬膜外チューブ、導尿カテーテル抜去は第3病日であり、水分開始2日目、食事開始3日目、抜糸7日目はほぼ同様であった。【CP作成】分析結果を参考にしてPGに対するtime-task matrix方式のCPを作成した。縦項...
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Published in | 医療マネジメント学会雑誌 Vol. 3; no. 4; pp. 629 - 634 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
2003
日本医療マネジメント学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1345-6903 1884-6793 |
DOI | 10.11191/jhm2000.3.629 |
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Summary: | 胃疾患に対する縮小手術が増え、胃癌や胃粘膜下腫瘍に対する胃部分切除 (PG) や腹腔鏡下手術に対するクリティカルパス (CP) が必要になってきた.そこでCP未施行37例を対象に周術期の諸項目について分析した。【結果】入院日数は中央値16日 (9-25日) 、術後日数は10日 (8-19日) 、点滴輸液は5日 (3-10日) とかなり幅がみられた。しかし、経鼻減圧管抜去は第1病日、硬膜外チューブ、導尿カテーテル抜去は第3病日であり、水分開始2日目、食事開始3日目、抜糸7日目はほぼ同様であった。【CP作成】分析結果を参考にしてPGに対するtime-task matrix方式のCPを作成した。縦項目に検査、薬・点滴、治療処置、観察、食事、活動、清潔・排泄、安全、教育・指導・IC、チェック項目、バリアンス、実施者サインを設け、横項目に入院日から退院日までの期間を設定した。医療者用には口によるチェック方式を用い、主治医のサインを得て始動する。チーム医療を念頭に置き、主治医、麻酔医、看護師、薬剤師、栄養士など各部門の連携をCPに組み込んだ。術前2日前入院、術後8日目退院とし、抗生剤は1日法とした。食事は3日目に開始し、3分粥から1食上げとして全粥までとした。原則として全例にCPを適応する方針とした。まだ、5例に適応したのみであるが、術後ほぼCP通りに経過し医療要因のバリアンスはなく、PGに対しては妥当なCPであると思われた。 |
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ISSN: | 1345-6903 1884-6793 |
DOI: | 10.11191/jhm2000.3.629 |