腹腔鏡下前立腺全摘除術:10年間の治療成績
我々は,限局性前立腺癌に対して2000年より腹腔鏡下前立腺全摘除術を開始し,2009年までの10年間で330例に施行した.手術時年齢は中央値65.5歳,術前PSAは中央値7.6ng/mlで,術後観察期間は中央値51か月であった.手術時間は中央値284分,出血量は中央値400mlで,開放手術への移行は4例であった.術中合併症は22例(6.7%)に生じ,直腸損傷は6例(1.8%)に認めた.切除断端陽性は114例(34.5%),5年PSA非再発率は76.7%で,多変量解析では被膜外浸潤と切除断端陽性が危険因子となった.中長期的な癌制御においては開放手術と遜色ない結果であったが,切除断端陽性率はやや高...
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Published in | Japanese Journal of Endourology Vol. 26; no. 1; pp. 104 - 109 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本泌尿器内視鏡学会
01.04.2013
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Subjects | |
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ISSN | 2186-1889 2187-4700 |
DOI | 10.11302/jsejje.26.104 |
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Summary: | 我々は,限局性前立腺癌に対して2000年より腹腔鏡下前立腺全摘除術を開始し,2009年までの10年間で330例に施行した.手術時年齢は中央値65.5歳,術前PSAは中央値7.6ng/mlで,術後観察期間は中央値51か月であった.手術時間は中央値284分,出血量は中央値400mlで,開放手術への移行は4例であった.術中合併症は22例(6.7%)に生じ,直腸損傷は6例(1.8%)に認めた.切除断端陽性は114例(34.5%),5年PSA非再発率は76.7%で,多変量解析では被膜外浸潤と切除断端陽性が危険因子となった.中長期的な癌制御においては開放手術と遜色ない結果であったが,切除断端陽性率はやや高く,今後は新規術者への教育システムの確立を行いlearning curveの短縮が必要と考えた. |
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ISSN: | 2186-1889 2187-4700 |
DOI: | 10.11302/jsejje.26.104 |