鍼感現象と血管系(1)

被検者の体表部刺鍼の際, 刺鍼箇所とは一見, 無関係と思える遠隔部位に温感・熱感を訴へる場合があり, これらは鐵感現象と呼ばれ, 経絡現象として扱われているが, 刺鍼の深さ或いは経穴とは関係無く認められる. 亦, 指圧のような圧迫刺戟又は術者の指による軽い摩擦などによっても, 鍼感様現象を訴へることがある. 昭和24年, 丸山・長浜の両博士は千葉医大眼科へ入院中の, 鍼感に極めて敏感な視神経萎縮の患者に就いて, 鍼感の調査を行い, 崑崙置針に依って膀胱経~胆経に鍼感を認めた. 更に兪穴(膀胱経第二行)置針に依り, 夫々のレベルで躯幹を横走する鍼感を認めた. 又, 此れと期を同じくして間中博士は...

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Published in日本良導絡自律神経学会雑誌 Vol. 39; no. 2; pp. 46 - 49
Main Author 杉山, 榮一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本良導絡自律神経学会 1994
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ISSN0913-0977
1884-7595
DOI10.17119/ryodoraku1986.39.46

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Summary:被検者の体表部刺鍼の際, 刺鍼箇所とは一見, 無関係と思える遠隔部位に温感・熱感を訴へる場合があり, これらは鐵感現象と呼ばれ, 経絡現象として扱われているが, 刺鍼の深さ或いは経穴とは関係無く認められる. 亦, 指圧のような圧迫刺戟又は術者の指による軽い摩擦などによっても, 鍼感様現象を訴へることがある. 昭和24年, 丸山・長浜の両博士は千葉医大眼科へ入院中の, 鍼感に極めて敏感な視神経萎縮の患者に就いて, 鍼感の調査を行い, 崑崙置針に依って膀胱経~胆経に鍼感を認めた. 更に兪穴(膀胱経第二行)置針に依り, 夫々のレベルで躯幹を横走する鍼感を認めた. 又, 此れと期を同じくして間中博士は此の患者に就いて同様の調査を行い12原穴への置針に依る鍼感パターンは古典に記載されている経路と全く一致し, 兪穴置針に依り夫々, 対応する募穴及び四肢経路に, 亦, 募穴置針に依り関連する四肢経路に鍼感を認めた. 又, 此れと期を同じくして間中博士は此の患者に就いて同様の調査を行い12原穴への置針に依る鍼感パターンは古典に記載されている経路と全く一致し, 兪穴置針に依り夫々, 対応する募穴及び四肢経絡に, 亦, 募穴置針に依り関連する四肢経絡に鍼感を認めた.
ISSN:0913-0977
1884-7595
DOI:10.17119/ryodoraku1986.39.46