クリティカルパスを用いた回復期リハビリテーション病棟におけるチームアプローチ

急性期病院における回復期リハビリテーション病棟では, 急性期から回復期への移行の際の患者・家族との関わり, 関連部門のスタッフとの連携, 受け入れ後のリハビリテーションスタッフ間での連携などチームアプローチのあり方が最重要課題となる. 今回, 開設と同時に「回復期リハビリテーションクリティカルパス (案)」を作成し, 使用しながら改訂した. 多職種が, それぞれの専門性を追及しながら, 患者自身の設定したゴールを目指すという共通の目的に向かうことでリハビリテーションチーム作りをしたいと考え, 病棟クリティカルパス検討会を発足した. 各職種の代表者が定期的にそれぞれの目指す回復期リハビリテーショ...

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Published in医療マネジメント学会雑誌 Vol. 5; no. 4; pp. 525 - 529
Main Authors 曽我部, 保文, 宮口, 佳子, 田口, 浩之, 角藤, 厚美, 中村, 登美江, 定松, 修一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会 2005
日本医療マネジメント学会
Subjects
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ISSN1345-6903
1884-6793
DOI10.11191/jhm2000.5.525

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Summary:急性期病院における回復期リハビリテーション病棟では, 急性期から回復期への移行の際の患者・家族との関わり, 関連部門のスタッフとの連携, 受け入れ後のリハビリテーションスタッフ間での連携などチームアプローチのあり方が最重要課題となる. 今回, 開設と同時に「回復期リハビリテーションクリティカルパス (案)」を作成し, 使用しながら改訂した. 多職種が, それぞれの専門性を追及しながら, 患者自身の設定したゴールを目指すという共通の目的に向かうことでリハビリテーションチーム作りをしたいと考え, 病棟クリティカルパス検討会を発足した. 各職種の代表者が定期的にそれぞれの目指す回復期リハビリテーション病棟のあり方を模索しながらクリティカルパスの改訂をした. 約1年間詳細変更を重ね, 2003年7月, 9月, 10月, 2004年2月の4回の改訂をした. 改訂の過程で回復期リハビリテーション病棟の全スタッフを対象にアンケート調査を行い, 評価・改訂の資料とした. その結果, 回復期リハビリテーション病棟から在宅支援に至るまでの包括的リハビリテーション医療サービス提供のために共有すべき情報として重要なのは, 患者自身が立てた目標, リハビリテーションのゴール設定, リハビリテーション進行状況, 退院・転院の方向性であることが明らかになった. さらに, チームアプローチを具現化するためには, 各職種担当者の目標と評価, カンファレンスによるADL状況の確認, 退院時ゴールの妥当性評価, さらにはチームのあり方について常に検討することが重要である.
ISSN:1345-6903
1884-6793
DOI:10.11191/jhm2000.5.525