当院における嚥下チームの活動分析

嚥下チームは平成20 年6 月に発足し,院内での嚥下障害患者への迅速な対応,食事や嚥下に関わる様々な問題点の改善に向け活動している.今回嚥下チームの6 年間の活動を①嚥下チーム発足,②嚥下チーム院内啓発,③嚥下ラウンド開始の3 つの転換期で分け,それぞれの活動内容と問題点を分析した.また嚥下チームの主要な活動の一つである嚥下ラウンドについて,開始前後及び開始1 年後での評価患者数を比較・分析し,病棟看護師へのアンケートを用いて嚥下チーム・ラウンドに対する意識調査も実施した.嚥下評価依頼患者数は嚥下チームの院内啓発では増加の維持は困難で,嚥下ラウンドを開始することで飛躍的に増加し維持可能であった...

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Published inThe Medical Journal of Matsue City Hospital Vol. 19; no. 1; pp. 17 - 24
Main Authors 松井, 寛, 吉岡, 佐知子, 福永, 典子, 徳田, 佳生, 中谷, 綾子, 植野, 直子, 福田, 里子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 松江市立病院 2015
Matsue City Hospital
Subjects
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ISSN1343-0866
2434-8368
DOI10.32294/mch.19.1_17

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Summary:嚥下チームは平成20 年6 月に発足し,院内での嚥下障害患者への迅速な対応,食事や嚥下に関わる様々な問題点の改善に向け活動している.今回嚥下チームの6 年間の活動を①嚥下チーム発足,②嚥下チーム院内啓発,③嚥下ラウンド開始の3 つの転換期で分け,それぞれの活動内容と問題点を分析した.また嚥下チームの主要な活動の一つである嚥下ラウンドについて,開始前後及び開始1 年後での評価患者数を比較・分析し,病棟看護師へのアンケートを用いて嚥下チーム・ラウンドに対する意識調査も実施した.嚥下評価依頼患者数は嚥下チームの院内啓発では増加の維持は困難で,嚥下ラウンドを開始することで飛躍的に増加し維持可能であった.ラウンド開始後1 年後にはラウンドからのチーム登録率および嚥下リハ開始率が増加し,アンケート結果からも嚥下について相談しやすくなったとの結果を得た.一方,嚥下ラウンドに参加経験のある看護師は約半数であった.誤嚥・窒息防止のためには経口摂取に関わる看護師の嚥下に関する知識・技術の向上が必要である.今後「摂食・嚥下障害看護認定看護師」の参加も得て,病棟と嚥下チームの更なる連携強化が望まれる.
ISSN:1343-0866
2434-8368
DOI:10.32294/mch.19.1_17