COVID-19流行期に感染患者を受け入れるための救急外来・発熱外来運用の工夫

目的:COVID-19流行期に救急受け入れ困難症例が問題となった。本研究では,当施設の救急患者受け入れ体制の工夫がCOVID-19流行期の救急応需に寄与したのかを調査した。 方法:2020年3月27日〜5月25日と2019年の同期間に小児科医以外の医師が診療した患者データについて後方視的に解析した。当施設では,感染防護策をとりながら救急医が救急外来受診患者のフローを管理し,感染症を疑う救急搬入患者でも安定していれば発熱外来で診療して救急初療室を温存したり,患者の入院方法を工夫し救急外来・発熱外来の診療時間の短縮に努めたりした。結果:救急応需率は2019年,2020年の比較では3月は75.7%...

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Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 24; no. 3; pp. 389 - 399
Main Authors 柏浦, 正広, 百村, 伸一, 村田, 信也, 石田, 岳史, 山岸, 利暢, 松井, 崇頼, 坪井, 謙
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床救急医学会 30.06.2021
日本臨床救急医学会
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ISSN1345-0581
2187-9001
DOI10.11240/jsem.24.389

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Summary:目的:COVID-19流行期に救急受け入れ困難症例が問題となった。本研究では,当施設の救急患者受け入れ体制の工夫がCOVID-19流行期の救急応需に寄与したのかを調査した。 方法:2020年3月27日〜5月25日と2019年の同期間に小児科医以外の医師が診療した患者データについて後方視的に解析した。当施設では,感染防護策をとりながら救急医が救急外来受診患者のフローを管理し,感染症を疑う救急搬入患者でも安定していれば発熱外来で診療して救急初療室を温存したり,患者の入院方法を工夫し救急外来・発熱外来の診療時間の短縮に努めたりした。結果:救急応需率は2019年,2020年の比較では3月は75.7% vs 77.1%(p=0.907), 4月は83.3% vs 62.3%(p<0.001),5月は80.1% vs 71.6%(p<0.009)で4月,5月では有意に低下した。一方,2020年は4月と比較して5月の応需率は有意に増加した(p=0.004)。結論:当施設の救急患者受け入れ体制の工夫で,2020年の救急応需率は2019年よりも低下したものの,2020年では4月〜5月にかけて増加した。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.24.389