学童期における心肺蘇生法の反復学習効果の検討

応急手当普及啓発の推進策として救命入門コース(以下,入門コース)が新設されたが,これまでに知識と技術の維持に関してその効果を調査した研究はなく,再講習の適切な間隔の提示はない。今回,学童期の入門コース受講が,後に応急手当講習を再受講した場合に有益かを受講間隔と併せて検証した。対象は普通救命講習Ⅰを受講した中学1年生(296名)で,小学6年時に入門コース受講歴がある群をA群(95名),小学5年時に入門コース受講歴がある群をB群(72名),受講歴がない群をN群(129名)の3群に分け,各群で心肺蘇生の5項目をスコア化し,比較検討した。A群は他群に対して胸骨圧迫手技の合計点と4項目において評価が高い...

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Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 23; no. 4; pp. 564 - 569
Main Authors 中村, 篤雄, 高山, 稔, 内田, 洋平, 大串, 卓也, 高須, 修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床救急医学会 31.08.2020
日本臨床救急医学会
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ISSN1345-0581
2187-9001
DOI10.11240/jsem.23.564

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Summary:応急手当普及啓発の推進策として救命入門コース(以下,入門コース)が新設されたが,これまでに知識と技術の維持に関してその効果を調査した研究はなく,再講習の適切な間隔の提示はない。今回,学童期の入門コース受講が,後に応急手当講習を再受講した場合に有益かを受講間隔と併せて検証した。対象は普通救命講習Ⅰを受講した中学1年生(296名)で,小学6年時に入門コース受講歴がある群をA群(95名),小学5年時に入門コース受講歴がある群をB群(72名),受講歴がない群をN群(129名)の3群に分け,各群で心肺蘇生の5項目をスコア化し,比較検討した。A群は他群に対して胸骨圧迫手技の合計点と4項目において評価が高い結果であった(p<0.05)。学童期の入門コース受講は,中学生時の普通救命講習Ⅰの再受講に有益で,さらに小学6年時の受講は知識と技術の維持に効果が高く,1年以内の再講習が適切な間隔である。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.23.564