脳出血発症後,早期離床および積極的な運動にも かかわらず静脈血栓塞栓症を生じた一症例
〔目的〕急性期脳卒中患者において,早期離床や立位・歩行練習は,深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT)および肺塞栓症(pulmonary embolism:PE)を予防するとされている.今回,発症早期より長下肢装具を用いて歩行練習を開始したが,経過中にDVT・PEを発症した脳出血患者を経験したので報告する.〔対象と方法〕80歳代の女性で右視床出血による左片麻痺を生じた.〔結果〕介入初日より車椅子乗車を開始し,4病日より備品長下肢装具を用いて,歩行練習を開始した.24病日にD-dimerが高値を示し,CTにて左大腿静脈内にDVT,右肺動脈にPEの所見を認めた.〔結語〕D...
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Published in | 理学療法科学 Vol. 35; no. 6; pp. 917 - 921 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
理学療法科学学会
2020
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Subjects | |
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ISSN | 1341-1667 2434-2807 |
DOI | 10.1589/rika.35.917 |
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Summary: | 〔目的〕急性期脳卒中患者において,早期離床や立位・歩行練習は,深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT)および肺塞栓症(pulmonary embolism:PE)を予防するとされている.今回,発症早期より長下肢装具を用いて歩行練習を開始したが,経過中にDVT・PEを発症した脳出血患者を経験したので報告する.〔対象と方法〕80歳代の女性で右視床出血による左片麻痺を生じた.〔結果〕介入初日より車椅子乗車を開始し,4病日より備品長下肢装具を用いて,歩行練習を開始した.24病日にD-dimerが高値を示し,CTにて左大腿静脈内にDVT,右肺動脈にPEの所見を認めた.〔結語〕DVT・PEを発症した要因として,運動麻痺や脱水,便秘,解剖学的問題などが考えられた. |
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ISSN: | 1341-1667 2434-2807 |
DOI: | 10.1589/rika.35.917 |