固定関節に対する異なる頻度の関節可動域運動が関節可動範囲に及ぼす影響

〔目的〕本研究では,ラットを用いて関節固定期間中に「1日に1度,1度に5回のROM ex」を週あたりの実施日数を変えて行うことで,ROM ex実施頻度の違いが固定関節の関節可動範囲の減少,関節内組織の変性に与える影響を検討した。〔対象〕実験動物にはWistar系の雄ラット30匹を使用した。〔方法〕ラットは無作為に,(1)無処置群,(2)ROM ex群,(3)ROM ex週1日群,(4)ROM ex週3日群,(5)ROM ex週5日群の5群に分け,各ROM ex実施条件にて関節可動範囲の経時的変化および実験終了後の組織像を評価した。〔結果〕ROM exの週あたりの実施頻度が多いほど,関節可動範囲...

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Published in理学療法科学 Vol. 24; no. 3; pp. 427 - 433
Main Authors 龍田, 尚美, 中嶋, 正明, 秋山, 純一, 野中, 紘士, 斉藤, 圭介, 川上, 照彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2009
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Summary:〔目的〕本研究では,ラットを用いて関節固定期間中に「1日に1度,1度に5回のROM ex」を週あたりの実施日数を変えて行うことで,ROM ex実施頻度の違いが固定関節の関節可動範囲の減少,関節内組織の変性に与える影響を検討した。〔対象〕実験動物にはWistar系の雄ラット30匹を使用した。〔方法〕ラットは無作為に,(1)無処置群,(2)ROM ex群,(3)ROM ex週1日群,(4)ROM ex週3日群,(5)ROM ex週5日群の5群に分け,各ROM ex実施条件にて関節可動範囲の経時的変化および実験終了後の組織像を評価した。〔結果〕ROM exの週あたりの実施頻度が多いほど,関節可動範囲の減少が抑制される傾向にあった。しかし,週に5日実施する条件でも関節可動範囲の減少を予防することはできなかった。組織学的評価では,ROM ex群,ROM ex週1日群で関節腔内が結合組織により充填されていた。ROM ex週3日群,ROM ex週5日群では軟骨表面に少量の結合組織の増殖像が確認された。〔結語〕今回行ったROM exの条件では,関節可動範囲の減少を予防することはできなかった。しかし,その減少に対するROM exの抑制効果は実施頻度(週あたりの実施日数)に依存してみられる傾向にあった。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.24.427