関節リウマチによる前足部変形に対してA.L.P.S. Total Foot System® MTP plateを用いた治療戦略

[目的]関節リウマチの前足部変形に対して,我々は母趾MTP関節にはスクリュー2本を交差刺入して固定術を行ってきた.しかし,適合性のよい関節面を作製し,適切な外反母趾角と背屈角を術中に決定することが困難な場合や,術後に骨癒合遷延・偽関節となった症例が散見された.これらの問題を解決するためにZimmer Biomet社のA.L.P.S. Total Foot System® MTP fusion plateを導入したので,その特徴と治療成績に関して症例を交えて報告する.[方法]対象は関節リウマチ女性患者17症例23足で,MTP関節をスクリュー2本で固定した群(スクリュー群)とMTP fusion...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 67; no. 2; pp. 243 - 246
Main Authors 元嶋, 尉士, 岡田, 祥明, 川﨑, 展, 荒川, 大亮, 塚本, 学, 酒井, 昭典, 森, 俊陽, 吉田, 周平, 嵐, 智哉, 佐羽内, 研
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2018
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.67.243

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Summary:[目的]関節リウマチの前足部変形に対して,我々は母趾MTP関節にはスクリュー2本を交差刺入して固定術を行ってきた.しかし,適合性のよい関節面を作製し,適切な外反母趾角と背屈角を術中に決定することが困難な場合や,術後に骨癒合遷延・偽関節となった症例が散見された.これらの問題を解決するためにZimmer Biomet社のA.L.P.S. Total Foot System® MTP fusion plateを導入したので,その特徴と治療成績に関して症例を交えて報告する.[方法]対象は関節リウマチ女性患者17症例23足で,MTP関節をスクリュー2本で固定した群(スクリュー群)とMTP fusion plateとスクリュー1本で固定した群(プレート群)について,後ろ向きに調査を行った.プレート群では,付属のリーマーを用いて適合性のよい球状の母趾MTP関節を作製し,プレート中央部につけられた背屈14°,外反5°の形状を目安に固定した.各群の骨遷延癒合・偽関節の有無と骨癒合期間について評価した.[結果]スクリュー群では81%に骨遷延癒合,19%に偽関節が生じた.一方,プレート群では術後3ヵ月の時点で全症例において骨癒合が得られていた.[結論]MTP fusion plateは母趾MTP関節固定を行う際に固定角度決定の指標となり,良好な骨癒合が期待できる.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.67.243