退院支援・退院調整における看護師の役割

医療崩壊といわれて久しい医療現場の現状は、療養病床削減、在院日数短縮、DPCにかかわる効率化等に追われ、患者や家族の思いとは裏腹に医療者側の都合が先行した退院を促すことも少なくない。特に、告知されれば即「死」をイメージしてしまうがん患者やその家族にとって、自分たちの望む状況での退院でなければ、医療者から見放されたという感情を抱くことも多い。 四国がんセンターでは、見放されたと誤解されない退院調整を実践するために、退院調整連携パスを運用している。退院調整連携パス運用では、患者・家族それぞれの状況や、今後の生活、現状の医学的問題に対して、患者や家族の希望する方向を模索し、一緒に最良の道を探す、とい...

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Published in日本クリニカルパス学会誌 Vol. 12; no. 2; pp. 96 - 102
Main Author 舩田, 千秋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本クリニカルパス学会 10.06.2010
日本クリニカルパス学会
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ISSN2187-6592
2436-1046
DOI10.50842/jjscp.12.2_96

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Summary:医療崩壊といわれて久しい医療現場の現状は、療養病床削減、在院日数短縮、DPCにかかわる効率化等に追われ、患者や家族の思いとは裏腹に医療者側の都合が先行した退院を促すことも少なくない。特に、告知されれば即「死」をイメージしてしまうがん患者やその家族にとって、自分たちの望む状況での退院でなければ、医療者から見放されたという感情を抱くことも多い。 四国がんセンターでは、見放されたと誤解されない退院調整を実践するために、退院調整連携パスを運用している。退院調整連携パス運用では、患者・家族それぞれの状況や、今後の生活、現状の医学的問題に対して、患者や家族の希望する方向を模索し、一緒に最良の道を探す、という支援を行っている。 この「一緒に最良の道を探す」ということは、“患者の生活に寄り添い支援する”という看護の専門性に他ならず、退院支援・退院調整に果たす看護師の役割は大きい。
ISSN:2187-6592
2436-1046
DOI:10.50842/jjscp.12.2_96