家族性腫瘍サポートグループにおける医療者の役割

患者・家族・医療者で構成されているサポートグループにおける「医療者の役割」を明確化するため,家族性大腸腺腫症患者・家族の会の会報を,役員の了解を得て内容分析を行った.10 年間のサポートグループの活動の中で医療者が果たしていた役割を分析した結果,会員のニーズに応じた医学的知識の提供方法が明らかになった.会員相互の情報交換において解決できない問題には,FAP に関する医学的知識を持つ医療者の介入が必要であった.医療者の役割は,①医学的情報理解のサポート,②自分の身体を理解するための情報提示,③生活上の留意点の提示,④適切な医療への連携,⑤セルフケア能力を引き出すためのサポート,⑥研究結果の提示の...

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Published in家族性腫瘍 Vol. 9; no. 2; pp. 46 - 52
Main Authors 竹山, 育子, 中村, 富予, 佐伯, 智子, 石川, 秀樹, 川崎, 優子, 権藤, 延久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本家族性腫瘍学会 2009
一般社団法人日本遺伝性腫瘍学会
The Japanese Society for Hereditary Tumors
Subjects
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ISSN1346-1052
2189-6674
DOI10.18976/jsft.9.2_46

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Summary:患者・家族・医療者で構成されているサポートグループにおける「医療者の役割」を明確化するため,家族性大腸腺腫症患者・家族の会の会報を,役員の了解を得て内容分析を行った.10 年間のサポートグループの活動の中で医療者が果たしていた役割を分析した結果,会員のニーズに応じた医学的知識の提供方法が明らかになった.会員相互の情報交換において解決できない問題には,FAP に関する医学的知識を持つ医療者の介入が必要であった.医療者の役割は,①医学的情報理解のサポート,②自分の身体を理解するための情報提示,③生活上の留意点の提示,④適切な医療への連携,⑤セルフケア能力を引き出すためのサポート,⑥研究結果の提示の六つであった.今後は,集団対応と個別対応を使い分ける判断指標を明確化し,集団への対応部分については生活ハンドブック作成の資料として活用する予定である.
ISSN:1346-1052
2189-6674
DOI:10.18976/jsft.9.2_46