高度救命救急センターに搬送された75歳以上の院外心肺停止患者の現状と問題点

目的:和歌山県立医科大学附属病院高度救命救急センターに搬送された75歳以上の後期高齢者のCPA症例を検討し,今後の課題を明らかにする。方法:4年間に搬送された,DNAR未確認のCPA症例のうち,後期高齢者群と非後期高齢者群とを後向きに比較検討した。また,後期高齢者のROSCあり群と群とを比較検討した。さらに,後期高齢者群の生存例を検討した。結果:対象475例中,後期高齢者は283例であった。後期高齢者群は,自宅や施設での発生が多く,初期波形VFの症例が少なかったが,ROSCや生存の割合に有意差は認めなかった。後期高齢者ROSC 群では,目撃症例や初期波形心静止が多かったが,bystander...

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Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 22; no. 1; pp. 1 - 5
Main Authors 岩﨑, 安博, 加藤, 正哉, 置塩, 裕子, 米満, 尚史, 田中, 真生, 那須, 亨, 川嶋, 秀治, 上田, 健太郎, 國立, 晃成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床救急医学会 28.02.2019
日本臨床救急医学会
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ISSN1345-0581
2187-9001
DOI10.11240/jsem.22.1

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Summary:目的:和歌山県立医科大学附属病院高度救命救急センターに搬送された75歳以上の後期高齢者のCPA症例を検討し,今後の課題を明らかにする。方法:4年間に搬送された,DNAR未確認のCPA症例のうち,後期高齢者群と非後期高齢者群とを後向きに比較検討した。また,後期高齢者のROSCあり群と群とを比較検討した。さらに,後期高齢者群の生存例を検討した。結果:対象475例中,後期高齢者は283例であった。後期高齢者群は,自宅や施設での発生が多く,初期波形VFの症例が少なかったが,ROSCや生存の割合に有意差は認めなかった。後期高齢者ROSC 群では,目撃症例や初期波形心静止が多かったが,bystander CPRの有無や搬送時間に有意差は認めなかった。後期高齢者の生存8症例に初期波形VFはなく,すべてCPC4であった。結論:初期波形VFの生存症例がなく,改善の余地がある。また,事前指示書の普及が重要と考えられた。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.22.1